リクガメに絶対に与えてはいけない野菜と与えすぎNGな野菜まとめ!

カメ
禁止

リクガメに毎日野菜を与える中で、「人間が食べている野菜で、リクガメに与えてはいけない野菜ってあるの?」と疑問に思いますよね。

今回の記事では、人間が日常よく食べている野菜の中で、リクガメに絶対に与えてはいけない野菜と、与えすぎNGな野菜を紹介します。成分のデータも交えて詳しく解説します。

この記事を読めば、リクガメに与えすぎてはいけない野菜や、健康を阻害する成分が理解でき、愛するリクガメをより健康に長生きできるようになります。

絶対に与えてはいけない野菜:ネギ科の植物(ネギ、ニラ、ニンニク、玉ねぎ)

ニラ

ネギやニラ、ニンニク、玉ねぎといったネギ科の植物は、少量でも中毒症状を起こす恐れがあるので、与えてはいけません。

ネギの含まれるn-プロピルジスルフィドという物質が、赤血球やヘモグロビンを酸化させ、壊れることで貧血に至ります。
人間は赤血球の抗酸化作用を強いので大丈夫ですが、リクガメは犬と同様に、赤血球の抗酸化作用が弱いのでこのような中毒を起こしやすくなります。

リクガメがネギにより中毒になると、元気消失、食欲不振、呼吸困難、嘔吐、下痢などといった症状になります。
症状が重篤になると動物病院で胃の洗浄などの処置が必要になってしまいますので、誤って与えてしまわないように注意しましょう。

与えすぎNGな野菜

他の主食野菜と組み合わせてあげるなど、少量であれば問題ないですが、毎日のようにたくさん与えると問題が起きる野菜を解説します。与えすぎNGな野菜は、次の成分表をもとに解説します。

野菜栄養成分表

※1(カルシウム、リン、食物繊維、たんぱく質):
グリコ 栄養成分ナビゲーター
https://jp.glico.com/navi/index.html

※2(シュウ酸);
食物成分表(日米におけるカルシウム、リン、ビタミンC、シュウ酸比較)
http://wagamoru.rgr.jp/cavia/study/seibun/s_1.html

ほうれん草

ホウレンソウ

ホウレンソウはシュウ酸を多く含むので、与えすぎてはいけません。

シュウ酸はカルシウムなどのミネラルと結合することで植物内でミネラルを保つ役割を果たしています。

ある程度のシュウ酸がリクガメの体内に入っても、腸内でカルシウムと結びついて便として排出されるため、問題ありません。
しかしシュウ酸の摂取量が多いと、腸内で処理しきれずに尿にまで流れ込み、そこでカルシウムと結びついて結石になり、腎臓や尿管の負担になってしまいます。
また、カルシウムと結びついて排出されるので、骨や甲羅の形成に必要なカルシウムが足りなくなってしまいます。

ホウレンソウの栄養成分は次のとおりです。リクガメに関係の強い成分に絞って表示しています。

<ほうれん草の成分表>

カルシウム:リンカルシウム
(mg)
リン
(mg)
食物繊維
(g)
たんぱく質
(g)
シュウ酸
(mg)
ほうれん草(生)
100g
1:149472.82.2773~970

ホウレンソウ100gに含まれるシュウ酸は773~970mgと、他の野菜と比べてダントツに高い値です。人間と同じく、リクガメも毎日大量のホウレンソウを食べ続けると結石ができてしまいます。
ほうれん草はβカロテンやビタミンなどが豊富で栄養値が高い緑黄色野菜なので、他の野菜と組み合わせて与える分には問題ありませんが、ほうれん草を主食として毎日与えすぎるのはよくありません。

穀物(米や小麦、トウモロコシ)

稲

米、小麦、トウモロコシといった穀物も与えすぎてはいけません。

なぜなら、カルシウムに対するリンの割合が大きすぎるからです。

カルシウムはリンと結びついてリン酸カルシウムになり、骨や甲羅を形成するため、カルシウムとリンの割合がバランスよく含まれていることが重要です。理想的な割合は、『カルシウム:リン=4~5:1』と言われています。

リンの割合が多くなると、せっかく摂ったカルシウムが吸収されず、骨や甲羅の健全の形成に支障をきたすようになります。成長障害や、甲羅がボコボコになる原因になってしまいます。

米や小麦のカルシウムとリンの割合を見ると、以下のようになっています。

<穀物の成分表>

カルシウム:リンカルシウム
(mg)
リン
(mg)
食物繊維
(g)
たんぱく質
(g)
精白米
100g
0.05:151000.56.4
玄米
100g
0.03:1929036.8
小麦はい芽
100g
0.04:142110014332

理想的な割合は、『カルシウム:リン=4~5:1』ですが、穀物の、リンに対するカルシウムの割合は0.1を下回るほど低い値です。カルシウムが少なく、一方リンの割合が異常に多すぎて、毎日与えすぎるとリクガメの成長に大きく影響してしまいます。

また、白米などの食物繊維が少ない炭水化物は人間と同様、肥満の原因になります。
白米やトウモロコシは甘くておいしいので、リクガメも好んでバクバク食べます。食欲がないときにおやつとして少量与えるのは問題ないと思いますが、あまり与えすぎないようにしましょう。

キャベツ・白菜・レタス

キャベツ

キャベツや白菜、レタスは、安く大量に入手でき、リクガメの嗜好性も高いのでついつい日常的に与えすぎてしまいがちですが、毎日大量に与えると問題です。

カルシウムの含有量が少ないためです。成分表によると、カルシウムの含有量は以下のとおりです。

<キャベツ・白菜・レタスの成分表>

カルシウム:リンカルシウム
(mg)
リン
(mg)
食物繊維
(g)
たんぱく質
(g)
シュウ酸
(mg)
キャベツ
100g
1.6:143271.81.3 100~470
白菜
100g
1.3:143331.30.8
レタス
100g
0.9:119221.10.6330

他の主食野菜と組み合わせて与える分には全く問題ありませんが、キャベツや白菜、レタスばかり与え続けるとカルシウム不足になり、骨や甲羅の形成に悪影響を及ぼします。

また、「キャベツやケールなどのアブラナ科の植物は甲状腺腫誘発物質(ゴイトリン)が含まれるので与えないほうがいい」といった説がありますが、これはあまり気にしなくてよいです。小松菜やカブなど優秀な主食野菜にもある程度のゴイトリンは含まれていますし、一種類の植物ばかり食べ続けてヨウ素不足になると甲状腺トラブルになりますが、複数の野菜や野草を組み合わせて与えていれば問題ありません。

動物園などではリクガメに普通にキャベツを餌として与えていますし、あまり神経質になる必要はありませんが、キャベツや白菜、レタスばかり与えるのではなく、他の主食野菜と組み合わせて与えましょう。

豆類

大豆

大豆(豆腐や枝豆)、アルファルファ(もやし)、レンズマメなどの豆類も与えすぎはよくありません。たんぱく質の量が多いためです。たんぱく質は肉体組織の形成する重要な栄養素ですが、リクガメに与えすぎると、肥満や内蔵障害、甲羅の形成障害といった問題が起きてきます。

豆類の栄養成分表は以下のとおりです。

<豆類の成分表>

カルシウム:リンカルシウム
(mg)
リン
(mg)
食物繊維
(g)
たんぱく質
(g)
絹ごし豆腐
100g
1.1:175680.95.3
木綿豆腐
100g
1.1 :1 93881.17.0
枝豆
100g
0.4 :1
761704.611.5
アルファルファもやし
100g
0.4 :1 14371416
レンズ豆
100g
0.1 :1 271909.411.2

他の野菜に比べ、突出してたんぱく質の含有量が高いです。また、リンに対するカルシウムの割合も低めです。
豆腐や豆類は甘くておいしいのか、リクガメの嗜好性も高いのでついつい与えすぎてしまいがちになりますが、豆類ばかり与えるのはリクガメの健康によくありません。
他の野菜と組み合わせて、補助的に与える分には問題ありませんので、バランスよく与えるようにしましょう。

まとめ

リクガメに絶対に与えてはいけない野菜や、少量では問題ないが与えすぎNGな野菜を紹介しました。

<絶対に与えてはいけない野菜>
ネギ科の野菜(ネギ、ニラ、ニンニク、玉ねぎ)
⇒ネギ中毒を引き起こす

<与えすぎNGな野菜>

  • ホウレンソウ ⇒シュウ酸の過多による結石、カルシウム欠乏
  • 穀物 ⇒リンの過多によるカルシウム欠乏、肥満
  • キャベツ、白菜、レタス ⇒カルシウム欠乏
  • 豆類 ⇒たんぱく質の過多による内臓障害、甲羅の形成障害

ネギ科の野菜は中毒症状を引き起こすので少量でも与えてはいけませんが、ほうれん草やキャベツ、豆類といった野菜は少量与える分には全く問題ありません。

他の主食野菜と組み合わせることで栄養バランスがよくなり、むしろリクガメの健康に良い影響を与えてくれる野菜です。

カルシウムの割合が高くおススメの主食野菜はこちらの記事で紹介しています。
リクガメに重要な栄養素とオススメ主食野菜

あまり神経質になる必要はありませんので、愛亀の健康のために色々な野菜や野草を組み合わせてバランスの良い食事にしてあげましょう。

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