リクガメに重要な栄養素とオススメ主食野菜

カメ
野菜を食べるリクガメ

リクガメは野菜をよく食べますが、
日頃与えている野菜って、リクガメの健康にとっていいものなの?と疑問に思いますよね。

リクガメにとって重要な栄養素、与えすぎはよくない栄養素を解説します。
また、よくスーパーなどで売られている野菜に含まれる栄養を表にまとめました。

リクガメの主食とすべき野菜が分かり、納得して与えることができますので、参考にしてみてください。

リクガメに重要な栄養素

カルシウム

カルシウムは健全な骨や甲羅を形成する成分なので、とても重要なミネラルです。 カルシウムはリンと結びついてリン酸カルシウムになり、骨や甲羅を形成します。

カルシウムとリンの割合が重要で、
理想的な割合は『カルシウム:リン=4~5:1』です。

食物繊維

食物繊維もリクガメの健康維持に重要な成分です。食物繊維が不足すると、便秘の原因になります。
また、腸内環境が悪くなり様々な病気の原因になります。

あまり摂りすぎないほうがよい栄養素

シュウ酸

シュウ酸はカルシウムなどのミネラルと結合することで植物内でミネラルを保つ役割を果たしています。

ある程度のシュウ酸がリクガメの体内に入っても、腸内でカルシウムと結びついて便として排出されるため、問題ありません。

しかしシュウ酸の摂取量が多いと、腸内で処理しきれずに尿にまで流れ込み、そこでカルシウムと結びついて結石になり、腎臓や尿管の負担になってしまいます。
また、カルシウムと結びついて排出されるので、骨や甲羅の形成に必要なカルシウムが足りなくなってしまいます。

全く与えてはいけないというわけではありませんので神経質になる必要はありませんが、あまり摂りすぎないほうが良いです。

リン

カルシウムの項目でも解説したとおり、カルシウムとリンの割合が重要で、
理想的な割合は『カルシウム:リン=4~5:1』です。

リンの割合が多すぎると、せっかく摂ったカルシウムが吸収されず、骨や甲羅の健全の形成に支障をきたすようになります。成長障害や、甲羅がボコボコになる原因になってしまいます。

たんぱく質

たんぱく質は肉体組織の形成に重要な栄養素ですが、摂りすぎると甲羅が健全に成長せずボコボコになったり、内臓障害を起こしたり、肥満になったりといった問題が起きます。

野菜の成分表

野菜

入手しやすい野菜に含まれる栄養素のうち、リクガメの健康に特に関係する栄養素に絞り、 信頼できるデータから成分表を作成しました。
これらの成分は野菜それぞれ100gあたりの量を示しています。
リンに対するカルシウムの割合が多い順に並べています。

野菜栄養成分表

※1(カルシウム、リン、食物繊維、たんぱく質):
グリコ 栄養成分ナビゲーター
https://jp.glico.com/navi/index.html

※2(シュウ酸);
食物成分表(日米におけるカルシウム、リン、ビタミンC、シュウ酸比較)
http://wagamoru.rgr.jp/cavia/study/seibun/s_1.html

栄養素が優れた主食野菜

野菜の成分表の結果から、主食として頻繁にあげてもよいおススメの野菜 を紹介します。

小松菜

コマツナ

コマツナは、リクガメの主食として定番のアブラナ科の野菜です。

カルシウム:リン=3.8:1でカルシウムの割合も問題ありません。
100gあたりのシュウ酸は51g、たんぱく質は1.5gで十分低い値です。

栄養成分に優れており、年中どこのスーパーにも売っており、安価に入手しやすいです。自分でプランターなどに植えても簡単にたくさん収穫することができます。種から育ててもよいですし、スーパーで買ってきた小松菜で残った根元部分(根っこがなくてもOK)を土に挿しておけば、数週間でもう一度収穫できるくらいに大きくなります。私も屋上プランターに、種(去年のコマツナから採取したもの)や、スーパーから買ってきた小松菜の根元を植えて、たくさんのコマツナを育てています。
リクガメの嗜好性もとても高く、好んで食べてくれるので主食として重宝する大変優秀な野菜です。

チンゲンサイ

チンゲンサイ

チンゲンサイもコマツナの次に、リクガメの主食として定番のアブラナ科の野菜です。

カルシウム:リン=3.7:1でカルシウムの割合も問題ありません。
100gあたりのシュウ酸は95gで、コマツナの2倍ほどありますが、リクガメの健康には影響しない値です。

栄養成分に優れており、年中どこのスーパーにも売っているので入手しやすいです。
リクガメの嗜好性も高いので、コマツナの次にリクガメの主食としてオススメの野菜です。

水菜

水菜

水菜もリクガメの主食として大変オススメの、アブラナ科の野菜です。

水菜100gあたりのカルシウム含有量は210gとかなり多く含まれ、カルシウム:リン=3.3:1でカルシウムとリンの割合もそれほど問題ありません。
シュウ酸の含有量について信頼できる正確なデータはありませんでしたが、そもそも生で食べられるくらいアクが少ないので、シュウ酸の値もかなり低いと思われます。タンパク質は2.2gで十分低い値です。

水菜は栄養成分に優れているだけでなく、入手しやすいというメリットもあります。年中どこのスーパーにも売っているので入手しやすいです。プランターに植えておけば簡単に大きくなり、人間が食べても追いつかないくらいの量になります。わたしもプランターで育てていますが、大量に採れるので重宝しています。
リクガメの嗜好性も高くてバクバク食べてくれます。

春菊

春菊

春菊もリクガメの主食としてよく与えられているキク科の野菜です。

カルシウム:リン=2.7:1でカルシウムの理想的な割合よりは少し低めです。
シュウ酸含有量は信頼できる正確なデータがありませんでしたが、ホウレンソウの4%ほどと言われているので、100gあたり30~40mgほどで、十分低い値です。また、たんぱく質も2.3gと十分低い値です。

スーパーで年中出回っていますが、 春菊の旬は1月なので、7~10月にかけては少し入手しづらくなります。
リクガメの嗜好性も高く、他の主食野菜と組み合わせて与えるのがオススメです。

カブの葉

カブ

カブの葉はカルシウムの含有量がとても多いアブラナ科の野菜です。

100gあたりのカルシウム含有量は250gと非常に高く、カルシウム:リン=6:1で、カルシウムの割合がとても高いです。
また、100gあたりのシュウ酸は50~67mg、たんぱく質は2.3gで十分低い値です。

栄養成分は圧倒的に高いのですが、入手がしにくいという面があります。カブの葉付きで株を売っているスーパーは限られますし、季節によっては売っていないこともあります。かぶの旬は春の3~5月、また秋の10~12月の2回ありますが、他の季節は特に入手しづらくなります。

ケール

ケール

ケールも栄養成分がとても優れたアブラナ科の野菜です。人間もスーパーフードとして健康に良い食材として食べられています。

カルシウム:リン=4.9:1で、カルシウムの割合が高いです。
100gあたりの食物繊維は3.7gと、食物繊維はとても多く含まれています。
また、100gあたりのシュウ酸は20mg、たんぱく質は2.1gでかなり低い値です。

栄養成分はとても優れているのですが、リクガメの主食として大量に入手するのは経済的に負担が大きいという面があります。また、売っているスーパーも限られるので日常で継続的に入手するのは困難です。

モロヘイヤ

モロヘイヤ

モロヘイヤもリクガメの餌としてよく与えられているシナノキ科の野菜です。モロヘイヤ100g中のカルシウムは260mgと断トツの含有量を持っています。ただし、リンも多く含まれるので、カルシウム:リン=2.4:1と、割合としてはあまりよくありません。100gあたりのたんぱく質は4.8g、シュウ酸は163mgで、リクガメの健康には問題ない値ですが、これまで挙げた主食野菜に比べると多く含まれているので、与えすぎはあまりよくありません。

モロヘイヤの旬は6~9月で、旬の時期は多く出回り入手しやすいですが、旬以外の季節は入手困難になります。
カルシウムの含有量はとても高いですが、たんぱく質やシュウ酸の含有量も少し高いので、コマツナや水菜など他の主食野菜に組み合わせて与えるとよいでしょう。

まとめ

リクガメ

リクガメに必要な栄養素とあまり与えすぎないほうが良い栄養素を解説しました。

<リクガメに必要な栄養素>

  • カルシウム
  • 食物繊維

<リクガメに与えすぎないほうが良い栄養素>

  • リン
  • シュウ酸
  • たんぱく質

また、野菜の成分表をご紹介したうえで、オススメの主食野菜を紹介しました。

<リクガメの主食野菜>

  • コマツナ
  • チンゲンサイ
  • 水菜
  • 春菊
  • カブの葉
  • ケール
  • モロヘイヤ

栄養価が優れていても、単一の野菜ばかり与えるのはよくありません。例えば小松菜はリクガメの主食野菜として優れた栄養バランスを持っていますが、小松菜ばかり与えていては徐々に栄養が偏ってしまいますし、リクガメも飽きてきてあまり食べてくれなくなります。

そのため、本記事で挙げたような主食野菜を複数組み合わせて与えることで、より栄養バランスがよくなり健康で長生きできるようになります。

また、ご紹介した成分表をもとに、ツルムラサキ、オカヒジキ、葉大根、ルッコラなどを組み合わせてもよいでしょう。どれもリクガメが大好きな野菜ばかりです。

愛するリクガメが健康に長生きできるように、日ごろ与えている野菜の栄養をしっかりと理解し、栄養価が高い主食野菜を与えましょう。

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