屋上ビオトープの観察(2021年5月)

ビオトープ

今回は屋上バルコニーに置いているビオトープの観察をします。屋上ビオトープの水循環システムや、動植物の紹介をします。

屋上ビオトープ

屋上ビオトープの構成

上段はトロ船60L、下段はトロ船80Lの2段でビオトープを作りました。

屋上ビオトープ

ビオトープの上段

屋上ビオトープ

上段は60Lのトロ舟です。床には日向石を入れています。軽石で軽い床材ですが、水に沈みます。小さい鉢をたくさん入れて抽水植物を植えています。

ビオトープの下段

屋上ビオトープ

下段は80Lのトロ舟です。下段にはイシガメがいるのであまり水草を入れられません。

ビオトープの水循環システム

単純なシステムですが、ソーラーパネルの電力で小型ポンプを動かし、下段から水を吸い上げて水を循環させています。

ビオトープ

①ソーラーパネルで下段の小型ポンプを動かして下段から水を吸い上げます。

②吸い上げた水を上段に流し込みます。

③上段の水位が一定以上の高さまで来たらオーバーフローし、塩ビパイプを伝って下段へ。

④上段からオーバーフローした水が下段へ流れ込みます。

この①~④を繰り返すことで水を循環させています。

今は水を循環させているだけでフィルター(濾過)機能が十分でないので、それぞれ流れ込む場所にフィルターを設置する予定です。

ビオトープの動植物

ビオトープで育てている動植物を紹介します。

クロメダカ
屋上ビオトープのクロメダカ

ダツ目メダカ科メダカ属

上段のみにクロメダカを入れていましたが、いつの間にか下段にメダカの赤ちゃんがたくさんいました。大きくなるとイシガメに食べられてしまうので、大きくなる前に救出する必要があります。

イシガメ
屋上ビオトープのイシガメ
屋上ビオトープのイシガメ

イシガメ科イシガメ属

下段でイシガメを飼っていて、バルコニーを自由に歩き回れるようにしています。このイシガメはもう6年ほど飼育しています。去年までミシシッピニオイガメと一緒に室内で飼っていましたが、今年からこのビオトープで飼っています。日光浴し放題なので野性的で健康に育っている感じがします。なんでも食べるし、根があれば掘り返すので、下段にはあまり植物が植えられません。オオカナダモやクレソンは完全に食べつくされました。

ヒメタニシ
屋上ビオトープのヒメタニシ

タニシ科ヒメタニシ属

上段ではヒメタニシを入れています。下段にもヒメタニシを入れていましたが、イシガメに全部食べられてしまいました。

ヒメトクサ
屋上ビオトープのヒメトクサ
屋上ビオトープのヒメトクサ

トクサ科トクサ属

上段にはヒメトクサをたくさん育てています。ヒメトクサはトクサ科のシダ植物です。暖かくなって少しずつ増えてきました。ヒメトクサは抽水よりも、水上の湿った場所に生える植物なので、あまり水深が深いところに植えると枯れてしまいます。

ミズドクサ
屋上ビオトープのミズドクサ

トクサ科トクサ属

上段では、ミズドクサも植えています。ミズドクサは、先ほどのヒメトクサの近縁種で、トクサ科のシダ植物です。ミズドクサは完全に抽水植物で、ヒメトクサとは違い水深が深いところでも平気でどんどん増えてくれます。ヒメトクサよりも太いです。

ミズニラ
屋上ビオトープのミズニラ

ミズニラ科ミズニラ属

ミズゴケから自然に生えてきたので完全に特定はできていませんが、恐らくミズニラです。ミズニラはこう見えてもシダ植物です。

アンペライ(ネビキグサ)
屋上ビオトープのアンペライ

カヤツリグサ科ネギキグサ属

アンペライは別名ネビキグサともいい、日本産のカヤツリグサ科の抽水植物です。日本産水草には珍しく、常緑で冬でも葉が枯れません。

コシュロガヤツリ(ミニシペラス)
屋上ビオトープのコシュロガヤツリ

カヤツリグサ科カヤツリグサ属

下段で結構な場所をとっているコシュロガヤツリです。シュロガヤツリ(別名シペラス)の小型種ですが、結構大きくなります。丈夫でどんどん増えて、水中の余分な栄養を吸収してくれます。茎は固く根張りが強いので、イシガメに食べられたり掘り返されたりしていません。

マツバイ(ヘアーグラス)
屋上ビオトープのマツバイ

カヤツリグサ科ハリイ属

上段に、マツバイを植えています。別名ヘアーグラスとも言い、アクアリウムで前景によく使われている小型の植物です。うまく広がると緑の絨毯のようになります。

スゲの一種
屋上ビオトープのスゲ

スゲ科の一種

自宅近くの排水溝に生えていたスゲ科の一種。下段に植えていますがイシガメに食べられていません。スゲ科は種類が多く、判別が難しいです。

コブラグラス
屋上ビオトープのコブラグラス

セリ科リラエオプシス属

アクアリウムでは前景用水草としておなじみの植物です。上段に植えています。日当たりがよいので少しずつ増えてきています。

ナガバオモダカ
屋上ビオトープのナガバオモダカ
屋上ビオトープのナガバオモダカ

オモダカ科オモダカ属

ビオトープでよく使われるナガバオモダカです。丈夫でどんどん大きくなり、水中の栄養分を大量に吸収するので水質改善のために入れています。水中葉は常緑で、葉のまま越冬してくれます。

上段と下段にそれぞれ植えています。下段の方はイシガメが何度も掘り返して根をかじり、その度に植え直していますが枯れていません。

セキショウ
屋上ビオトープのセキショウ
ヒメセキショウ
屋上ビオトープのセキショウ
ヒメセキショウ
屋上ビオトープのセキショウ
オウゴンセキショウ
屋上ビオトープのセキショウ
オウゴンセキショウ

ショウブ科ショウブ属

湿地に生える日本産の多年草で、常緑です。上段にヒメセキショウと黄金セキショウという園芸品種を植えています。成長はかなり遅いですが丈夫です。

ヒツジグサ
屋上ビオトープのヒツジグサ

スイレン科スイレン属

ヒツジグサは唯一の日本産スイレンです。1カ月ほど前に種を植えていましたが、ようやく芽が出てきました。今後が楽しみです。下段に植えると間違いなくイシガメが食べてしまうので、上段に植えています。

サキシマスオウノキ
屋上ビオトープのサキシマスオウノキ

アオイ科サキシマスオウノキ属

抽水でも生きられるマングローブ植物です。大木になると、板根と呼ばれる気根を形成します。映画ジュラシックパークにも出てきた植物です。

サキシマスオウノキ Heritiera littoralis

育て始めて6年以上になり、大きくなるたびに短く剪定してきました。寒さにさえ気を付ければ、とても丈夫です。下段に入れていますが、もちろんイシガメに体当たりされてもびくともしません。

屋上ビオトープの観察まとめ

屋上ビオトープにはたくさんの植物を入れていて、今の季節は特に変化が面白いです。眺めているとあっという間に時間がたってしまいます。

水循環システムや動植物の様子など、今後も定期的に経過観察を載せていきます。

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